【衛生士セミナー報告】
去る、平成29年10月1日(日) 宮城県歯科医師会館にて、東北SJCD第47回例会 衛生士セミナーが開催されました。
前菊地賢会長の後を引き継ぎ、新会長になった鈴木祐先生の提案により、スタッフのレベルアップ・医院の向上を目的として、企画されました。
講師に、東京都日野市 村上歯科医院勤務の村上恵子先生をお迎えし、『歯周基本治療からSPTにおける歯科衛生士の役割』という演題で講演いただきました。
村上先生はカリフォルニア州立セリトス短期大学歯科衛生士科を卒業後、米国にて勤務され帰国されました。
講演は、技術的なことだけでなく、衛生士としてどの様に患者さんと関わっていくのかという姿勢も話していただき、参加されたスタッフを始め、ドクターも真剣に聴いていました。
当院の衛生士にDVDを視聴してもらい、学習した感想を簡単ではありますがレポートとして記しておきます。
今回、参加出来なかったDr・DHの皆様も、事務局でDVDを販売しておりますので、ぜひ買っていただいて、視聴してみてください。
【DVDを視聴し、今まで行ってきた歯周治療と照らし合わせて感じたこと】
歯周治療を行うにあたって、改善することを目標にしてきたように思いますが、本当は再発しないようなSPT(歯周病安定治療)が必要なのだと気付きました。
歯周治療の指導内容においても、口腔状況の伝達やプラークコントロールについては時間を割いて指導するものの、食生活や生活習慣の改善においての指導は少なかったように思います。その点においては、持病を持っている方の場合の指導を含め、もっと詳しく勉強したいと思います。
歯肉からの出血と歯周病の発症や進行の関係性について勉強になりました。
「オープンクエスチョンを活用して」とありましたが、実際はクローズクエスチョンで答えてしまうような会話になっていることが多いと反省しました。
【セミナーのDVDを視聴し学んだこと】
「患者さんは教師」という言葉でハッとしました。
確かに私たちの行ったスケーリング時では、歯石が残ればその歯肉は炎症が残り、ブラッシング指導での意思疎通がないとプラークや炎症そして虫歯などにも繋がります。
そのためにも、患者さんとの信頼関係や患者さんのセルフケア、そしてプロフェッショナルケアが必要なことを改めて知ることができました。
「歯周病は、改善はあっても完治はない」ということを念頭に置いて、歯周治療を行っていかなくてはならないと思います。
セルフケアを100%行うことは無理なので、プロフェッショナルケアとのバランスをどのようにとるか?そのためには患者さんを「見て・診て・看る」ことが大切になってきます。
患者さんに話をしてもらうことで、お互いに気付いていなかったことなどが分かり、情報を共有することで2つのケアを向上していけたらと思います。
口腔内の健康を維持するにはセルフケアの確立が大切で、そこから歯周病・虫歯のコントロールができ、患者さんの自信が自立へと繋がると思います。
それにプラスして私たちは患者さんの腕を向上させるのではなく、短時間で効率よく患者さんに合った歯磨きを勧めることで、プロフェッショナルケアのサポートができるのではないかと思います。
「歯周病」は感染症・生活習慣病・慢性疾患であります。
「感染症」は細菌による感染の結果炎症が起きるようになり、炎症のコントロールを継続的にサポートすることが必要となります。
「生活習慣病」は患者さんの背景を知る必要があり、話し合うことで信頼関係を築き、メンテナンスへと繋がります。
「慢性疾患」はコミュニケーションを持ち、常にモチベーションアップにメンテナンス・SPTの継続へと繋げます。
DHの役割は、再評価をし続けて、歯周組織だけにとらわれずに、粘膜異常などがないか口腔内外の診査し、再発や新しい問題の発見ができることかと思います。患者さんの健口、そして健康を継続してサポートできるのは地域のDHである私たちではないかと思います。
今までは、無反応な方やいつも同じことを繰り返し指導しなければいけない患者さんに、どのようにアプローチしたらいいのか悩んでいましたが、今回のセミナー(DVD)を視聴して、寄り添うこと・できそうなことを見つけて、提案させていただくことから始めてみようと思いました。