『クリニカルトレーニングプログラムコース』
4カ月コース IN 仙台
第2回報告 講師 日高 豊彦 先生
東北SJCDは、平成27年1月17日(日)東京SJCDの日高豊彦先生をお迎えし、第2回 Periodontal Surgeryをシロナ仙台営業所にて開催した。
歯周外科の軟組織テクニックとして基本的に、①フラップを開けて歯肉弁を移動する。②軟組織を移植する。③小帯切除のように切る。の3つしかなく、それに色々な名前が付いているに過ぎない。
また血流の確保、固定、デッドスペースをなくする事が必要だが、GBRのようにメンブレムをおいて組織の再生を図ることもある。また、当院の治療目標は3mm以内のプロービングデプスでスケーリングにて歯石を確実に除去できる。プロービングは10~20g、ウォーキングストロークで、先が透けると歯肉は薄いので退縮しやすい。
Periodontal Plastic Surgery
- ウィドマン改良法
一次、二次、三次切開しある程度の再生が期待できるが、長い付着上皮になるので、清掃不良だと再発しやすい。
- 歯肉弁根尖側移動術
後から歯肉を切るのは難しいので、切開は骨を落とす位置を予想して決める。
- 歯肉弁歯冠側移動術
部分層弁で口蓋より移植片を採取する。広汎型侵襲性歯周炎は歯を残すことは非常に難しく、上下全顎インプラントのほうが治療はしやすい。
- 歯肉弁側方移動術
血流の確保を考慮しデザインする。
- 口腔前庭拡張術
後戻りが多い。止めるために遊離歯肉移植が必要。
- 遊離歯肉移植術
移植面に滅菌した銀紙を置き、その上からパックする。
口蓋のドナーサイトは4mm以上の厚みが必要で日本人は口蓋動脈の真上になるので、CTで動脈のくぼみを確認する。
再生療法で非吸収性膜にて感染すると骨がさらに吸収する。
エムドゲインと自家骨移植の併用は有意差がないとの報告もあるので、費用対効果考慮し、キートゥースにだけ使用している。
【豚を用いた実習】
- エンベロップテクニック
ポケットより慎重にメスをいれ周囲を充分な受け入れスペース、口蓋に水平切開を入れ、剥離した後垂直切開を入れ移植片を採取。歯肉に針を通してから移植片に針を通し縫合する。
- 口腔前庭拡張術は部分層弁の根尖側に移動し縫合。さらに移植片を歯冠側に縫合。
歯周補綴
歯周治療のみでは歯を長期にわたり保存することが不可能な場合に連結固定する補綴処置であり、補綴物はインレーアンレーではなくクラウンが望ましい。
多数歯連結ではkey&keywayを活用する。
日高先生は外科に関する多数の著作があるが、今回はプロービングやキュレットの種類等歯周治療の基本からお話して頂いた。
しかしあれだけオペをやられているせいかキュレットのこだわりなど基本のお話でもかえって凄みを感じざるをえなかった。
今回も懇親会では仙台名物「セリ鍋」を、二次会ではお好みのスコッチ「ボウモア」を飲みながら若手の先生と活発な質疑応答があり、多いに勉強になった先生もたくさんいたのでは?