『クリニカルトレーニングプログラムコース』
4カ月コース IN 仙台
第1回報告 講師 日高 豊彦 先生
東北SJCDは、平成27年12月6日(日)、東京SJCDの日高豊彦先生をお迎えし4回コースの第1回を宮城県歯科医師会館にて開催した。
今回は、1.Diagnostic 2.Periodontal Surgery 3.Crown&Bridge 4.Implantの1回目で、日高先生はまず顔貌で瞳孔線と正中線の傾きがある症例を示され、咬合平面はカンペル平面より奥がやや下方に傾斜していると話された。
咬合器は、解剖学的に下顎前歯の切縁から顆頭まで100±5mmにあることから小さい咬合器では回転半径が小さいので、早期接触部位など誤った診断になる場合がある。
咬合については、First ChoiceとしてMutually Protected Occulusion、前歯はAnterior Couplingにてプロビジョナルで確かめてから咬合器に付着し自由運動させてからファイナルにトランスファーする。
中心位は上下歯があたらないで下顎が何度も同じ位置にくるポジションとし、取り方として上顎前歯にモデリングコンパウンドをおき、同じ位置でかませたあと、バイト材を左右に流し込む実習を行なった。
歯冠形成のバイオロジカルのキーポイントとして、骨からの歯質はポストアバットメントがフェルール効果で1.5mm、Biological Widthが2.5mm、計4mm必要である。
また症例の中で、前歯のマージンが歯根側に退縮した例はレスカウンターに、歯冠側に伸びた例は深めの形成とカウンターを強くすることで改善された例を示された。
付着歯肉の必要性については、リンデのプラークコントロールを良好に維持することで変化はないとの論文があるが、トレーニングされたハイジニストに週1回の来院の結果とのことと、当時修復物マージンを歯肉縁下に入れるケースを考慮に入れていなかったとされ、付着歯肉はあったほうが良いとされた。
最後に、今後の症例発表に必要なSJCDの新しいフォーマット例を紹介された。
今回のコースは、会員外の若手の先生も多数参加され、懇親会でも活発な質疑応答があり、初めて参加された先生にとってSJCDトップの先生のレベルの高さ、また日高先生の話されていることが経験だけでなく論文等で根拠のあることを実感していただく大変貴重な機会となった。